2021.6.13:ウイルス(細菌)情報と予防対策

感染するしくみ

クラスター発生というひとくくりにする問題

クラスターが発生するたびに発生した場所が問題だと捉えられてきました。これは飛沫接触感染の対策を怠っているからだという考えがあるからです。
しかし前述の通り、飛沫接触感染で感染した事実はなく、空気感染でしかありえないものばかりです。
ではクラスターが発生した場所ではどういうことが起きているのでしょうか。

クラスター発生には大きく2つある

クラスターには2パターンがあるのに、ひとくくりにしてしまっている。
それは、感染が飛沫接触しかありえないからという前提になっているので、ひとくくりにしてしまうのです。

パターン1:濃厚接触

濃厚接触は飛沫感染になるからというのが政府や専門家の説明でした。しかし、どう考えても飛沫が飛んで、それを指で拭い取り口の中や粘膜に塗りつけるようにしたとは思えない事例ばかりです。

実は濃厚接触は空気感染が引き起こしている。

コロナは肺に多く潜み、咳や大声だけでなく普通の呼吸でもウイルスを吐き出しています。感染者の吐いた空気を吸えばウイルスが肺に入ります。その途中で鼻や喉奥にも付着します。後述しますが、ウイルスを吸い込み、それが感染になるのかどうかは、吸い込んだウイルスの量によります。たくさんのウイルスを吸い込むと感染するということです。

互いにマスクをしていても50%はマスクの脇をから放出されますので、マスクをしていても2倍の時間一緒にいれば、マスクをしていない時と同じだけのウイルスを吸い込むことになります。

パターン2:空間感染

先の実験映像の容器は小さいサイズなので煙は濃く白くなります。濃度が高いということです。もしももっと大きくて背の高い容器ならば透明に近くなります。
この状態がそのまま室内に例えることができます。大きなクラスターは閉め切って天井の低いところで全て起きていると言えます。カラオケ、小規模ライブハウス、会議室、家庭内、部室、介護ホーム、小さな居酒屋、トイレなどです。
昭和の居酒屋は多くの人がタバコを吸っていましたので、店のドアを開けたら天井の蛍光灯が白く曇ってよく見えないということがありました。この状態ではどこにいても髪や服がタバコ臭くなります。
タバコの白い煙のようにウイルスは室内に充満し、席が離れていても互いに長時間いれば感染する濃度のウイルスを吸い込んでしまう。これが大きなクラスターの発生する状況です。この状態は空間感染と言えます。
逆に屋外や天井の高いホールで大規模クラスターが発生しないのはウイルスが高く舞い上がってしまうため、離れた席の人に感染する量のウイルスが届かないからです。
このように感染するまでのウイルスの動きが全く違うのにクラスターと一くくりしてしまい、さらに飛沫接触感染の可能性しか考えないために有効な対策が打てていません。

タバコで考えればウイルスの動きがよくわかる

先の実験でも使用しているのもタバコの煙で考えると、実験同様にウイルスの動きがよくわかります。

目の前でタバコを吸われると臭い。外で吸って戻ってきても臭いし話を始めればかなり臭い。これは肺に残っていた煙が吐き出されてそれを吸っているからです。コロナもこのようにして自分の肺に入っていきます。
近くにいれば臭いですし、少し離れていても、屋外でも風下ならば臭い。これは、コロナを直接吸い込むことは屋外であってもおきるということです。信号待ちをしているその瞬間でもコロナは感染しえるということです。

濃厚接触とは感染者の吐いたウイルスを直接吸い込む状態です。

一方、空間感染もタバコの煙でわかります。閉めきった部屋で誰かがタバコを吸えばやがて部屋中が臭くなります。タバコを吸っている時間が長ければ長いほど部屋は酷く臭くなります。これが部屋にいる人の多くを感染させる大きなクラスターが発生する状態です。
ウイルスが部屋に充満して部屋中のウイルス濃度が高くなります。
この状態では、既に部屋にウイルスが充満していますから、後から入ってきた人が極わずかな滞在時間であっても感染してしまいます。

この2つの感染パターンを分けて考えなければなりません。分けて考えないから、原因が分からなくなってしまうのです。

実際の感染はどうやっておきるのか

上記2パターンとも共通して言えることは、感染者の吐いた息を一定量吸えば感染するということ。 この一定量は個人差があり、後述する免疫力に関係しています。

感染者が、大きな声で話す、歌う、咳をするなどでより多くのウイルスが排出され、周りの人がウイルスを吸い込む量が増えます。短時間でも感染レベルまで吸い込むことになります。
感染者が黙っていても、呼吸からウイルスは放出されますので、長時間近くにいれば吸い込む量が感染レベルを超えます。
怖いのは、先の実験映像で分かるとおり、無風の場合、ウイルスはその場に浮遊し続けるということです。
感染者の後にトイレを利用する、感染者が歩いた廊下を歩く、すれ違うなど、無風のところでは感染者がいた場所にウイルスが浮遊し続けます。
また、風下にウイルスが流れる場合としては、電車の中、エスカレーター、歩行中、信号待ちなど、風下にいるために吐かれたウイルスを直接吸ってしまうことがあります。

経路不明でどこで感染したのか全く分からないケースでも、このような濃厚接触により空気感染している可能性が高いのです。

濃厚接触=一緒にいる人ではありません。

感染者が吐いたウイルスを直接吸い込まなくても、閉鎖空間の場合や無風の場合では室内に充満して、空間感染になります。ニュースになっているのは大きなクラスターですから、この空間感染によるものがほとんどになります。
カラオケボックス、小型店舗内、会社内、施設内、病院内、休憩室内、更衣室内、トイレ内、車内、飛行機内、エレベーター内などがこの空間感染によるものです。この中で、場所が特定できるものだけがクラスター認定されますが、電車内などでは一緒にいた日時や場所が特定できないため、経路不明になります。
これらの中でもカラオケボックスと飲食店、休憩室が多いのはマスクを外すことに加え、滞在時間が長いことと、歌や会話で多くのウイルスが放出されるからです。飛行機も滞在時間が長いですが、マスクを義務付けてからは感染が減りました。

感染者が長時間いれば室内にウイルスが充満しますし、そこに長時間いればウイルスを吸い込む量も増えます。一人で来てカウンターで飲んだとしても、店内にウイルスが充満してるので感染してしまうのです。

インドはなぜあんなに感染拡大したのか?

インドがどうしてあんなに急激に増え続けていったのか。それはこれまでの空気感染で考えればわかります。

今の東京でエレベーターに乗ったとして、近くに感染者が乗っている確率はどれくらいでしょうか?感染者が0なら、どんなに密になって乗っていても感染は1つも起きません。運悪く乗ってきてもせいぜい1人でしょうから、ウイルスを吐き出す量も少しで、感染するリスクはかなり低い。
しかしインドでは、感染が拡大してしまったために、エレベーターには何人もの感染者が乗ってきます。3人乗ってくれば濃度は3倍です。周りの人はすぐに大量のウイルスを吸い込んで感染してしまいます。エレベーターだけでなく、施設内や、通路でも、感染者が多いために浮遊するウイルスも多く、すぐに感染してしまいます。このようにしてねずみ算式に急激に感染者が増えていきました。もしかしたら大気汚染のように外気にもウイルスが充満してしまっているのかもしれません。そこまで行くと、家にいて誰とも近づいていなくても感染する可能性もあります。

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